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クラブエンジニアの音楽制作論

お気に入りの曲を解析する

splice.com

 

今日は曲解析についての良記事をご紹介したいと思います。

制作スキルを上げる方法として、他の人の音楽を解析・分析するのはとても効果的です。何がその曲を良くさせているのか、どのような構造になっているのか、いかにリスナーを飽きさせない展開作りを行うかなど様々なアーティストの曲を解析し、自分の曲に当てはめていくことで制作のレベルがグッと上がります。

それではいきましょう。

 

1. 曲を「聴く」

曲解析の最初のルールは曲を意識して「聴く」ということです。iPhoneの通知はオフにして完璧に集中できる環境を作り、少なくとも同じ曲を最初から最後まで3回は聴きます。曲を聴くときに何を意識するのかというと...

 

(1)まずはじめに...

・メロディ

 ・ハーモニー

・リズム

・構成

・構造

・テンポ

・音色

・抑揚

・ミックス

 

曲を聴いてみてこれらの要素がどのように働いているか、ひとつづつ書きだしてみましょう。

何に気づきましたか?何が好みで何が好みでないでしょう。

 

(2)次に...

(1)で特に気になった3つの要素を選んで次の問いに答えてみましょう

・なぜそれらが気になったのでしょう。何がその3つをユニークなものにしているのでしょう。

・それらは曲中でどのように使われていますか。それがどのように機能しているかわかりますか。

・それらは曲中で繰り返し使われていますか。そのパターンはわかりますか。

 

(3)最後に...

次に音色に注目してみて次の問いに答えてみましょう。

・そのミックスはどのような雰囲気を持っているでしょう。明るい、暗い、濁っているなど。

・特に気になった特徴的な音やサンプルはありますか。

・ミックスバランスはどうでしょう。故意に大きくなっている楽器はありますか。それは曲にどのように影響していますか。

 

ここまで来てわかるかと思いますが、いきなり集中して曲を「聴く」というのはかなり難しいと思います。私が勧めるのは週一回、一時間ほどかけて3回以上曲を「聴い」てみましょう。直接曲作りのアイデアには関係がないかもしれませんが、曲構造や楽器の使われ方を理解するのにとても役立ちます。

 

2. ドラムパターン

曲解析においてもうひとつ有益なのはドラムパターンを理解するということです。

すべてのドラム隊の楽器はある一定のパターンがあり、それが繰り返されています。同じ曲に違うドラムパターンを当てはめるのはとてもいい練習になります。

その前に、どのようにパターンを解析するのか見ていきましょう。

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◎ビートを書く

・上のチャートを使ってパターンを記入してみましょう。

・その曲が4/4拍子なら1,2,3,4,1,2,3,4...とcount欄に書いていきます。

 

私は毎週気に入った曲のパターンを解析してPCのフォルダに保存しています。上のチャートを印刷して使うのもいいですが、もっといい方法があります。

https://splice.com/sounds/beatmaker

この「Splice Beatmaker」を使えばドラムパターンが視覚化でき、それらは保存したりAbleton Drum Rackに直接いれることも可能です。

 

3. メロディを理解する

 メロディやハーモニーを理解するのはなかなか骨の折れる作業です。音楽理論の知識がないとどこから始めたらよいのかさっぱりわかりません。しかし少しの努力でメロディを解析できるようになる方法がありますのでお教えしましょう。

(1)曲のサビやブレイクなど小さな部分に注目する。

(2)DAWのピアノロールなどを使って最初と最後の音を確認する。

(3)最初と最後の音を紙に書く。

(4)もう一度メロディを聴いて、最初の音からラインを引いていく。メロディの音程が上がればラインも上がり、音程が下がればラインも下がる。

(5)紙に書いたラインを参考にしてピアノロールに音程を探りながら打ち込んでいく。

 

 

これでこの記事は以上です。

最後のメロディを解析する方法は正直あまりいいとは思えませんが、ドラムパターンを解析して保存しておくといったメソッドや、曲解析をする時、どこに注目すれば良いかなどのポイントはとても役に立つと思います。

普段何気なく移動中に聴いていても、集中して聴いてみるといままで聞こえなかった音がなっているのに気づくこともあります。いろんな曲を解析してそれらのオイシイ部分を自分のトラックに詰め込みましょう。

「真似る」という行為は一見オリジナリティから遠ざかるように見えますが、オリジナリティとはただ単に既存のアイデアの組み合わせだと、名書「アイデアのつくり方」は言っています。

www.amazon.co.jp

普段から曲を「聴く」習慣をつけて、これからより「プロ」っぽい展開やサウンドに仕上げてみましょう。